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Oliver Goldsmith の黒縁眼鏡(哲人のように)

私は眼鏡人間です。
今まで越前国甚六作オニメガネを紹介してきました。

今回はちょっと変わって、イギリスのブランド、オリバー・ゴールドスミスです。


肉厚の黒縁眼鏡、VICE CONSULです。
CONSULというモデルを、ちょっと横長にした感じ。
角ばったフレームに丸みを帯びたレンズが特徴です。


そして、眦に輝く三点の鋲がポイント。10金です。


Oliver Goldsmithのロゴが印字されています。


モデル名も。sというのはサイズで、4つぐらいあるサイズのうち最も標準的。
ちなみにCONSULは「領事」という意味で、VICE CONSULは副領事ということですね。確かに、ちょっとお堅い雰囲気をまとった眼鏡です。


分かりづらいですが、「handmade in Japan」。岐阜県のセルフレーム専門の眼鏡メーカーで作られています。

かつては英国の職人が一つ一つ手作りしていたそうですが、今は職人がいなくなってしまい、日本の工場に発注しているのだとか。

「セルフレーム」といっても、このモデルの素材はアセテート。日本では規制されていませんが、欧米では燃えやすいセルロイドの使用は禁止されているようです。


↑愛用者として有名な英国の喜劇俳優ピーター・セラーズ。
鼻の低いアジア人に合うように微修正したモデルもあるようです。

★★

黒縁眼鏡というと、なんとなく哲学者を思い浮かべます。
答えのない禅問答を楽しんでいるというか。

金属フレームの眼鏡人は、
どっちかというと重商主義というか、
お金儲けがうまそうな印象を受けます(あくまでも個人の感想です)。

こういうお金儲けが上手な人や、
勉強ができる人、
話がうまい人には、
出くわす機会が多いものです。
それなりの割合でいるものですから。

でも、人格者というか、徳の高い人というのは少ない。
希少な人たちです。

そもそも「人格者」というのは、どういう人なのか。
辞書には「優れた人格を持つ人」とか「気品のある人」とか書いてあります。
ちょっと抽象的ですね。

アメリカの心理学者ゴードン・オールポートは、
「健康な人格」に基準を設けました。

①自己意識の拡大
自分自身に向けられていた関心が、家族や異性、趣味、政治、仕事などへ広がること。他者や社会の幸不幸を自分のこととして考えることができるか。

②他人との暖かい人間関係
家族や友人に対して、深い愛情を持っているか。他人の人間的状態(感情や置かれた状況)に敬意を払い、理解するという共感性を持っているか。

③安定した情緒
欲求不満を受け入れ、冷静に対処し、安定した精神を保てるか。

④現実の認知
正確な事実を歪曲せずに認識しようという構えを持っているか。基本的な知的能力だけでは不十分で、高い知性を持ちながら、情緒の均衡を欠くために健康的な人格を持てない人も多い。

⑤自己の客観視、洞察とユーモア
自分自身が持っているものや、他人が自分に期待していることを客観的に知り、洞察しているか。このこととユーモアは密接に関係している。

⑥人生を貫く人生哲学
いかに生きていくかという目標を持とうとしているか。そして、人生に軸を与えてくれる哲学への指向を持っているか。

あと、人格分析ではビッグファイブ理論とかオーシャン理論とか言われるものもありますね。

①Openness(開放性)

②Conscientiousness(誠実性)

③Extraversion(外向性)

④Agreeableness(協調性)

⑤Neuroticism(神経症傾向)


こういう指標を高めていくことが、
人格者ということなのかもしれません。

ただ、「こうありたい」という自分があっても、
なかなか、そうなれないのも人間です。
自分なのに、自分の思い通りにならない。
人間て難しいもんです。

人格というのは、後天的に育んでいける部分もあれば、
遺伝で先天的に決まってしまう部分もあるようです。

日本心理学会によれば、
先天的な人格と後天的な人格はだいたい半々なんだとか。

だから、がんばれば半分の人格は変えられる。半分は変えられない。
この50%という割合を高いと思うか低いと思うかは人それぞれかもしれませんが、
自分自身を振り返ってみれば、
昔より激高することは少なくなったかな?
と思います。

それこそ幼い頃は、
ちょっと自分の思い通りにならないことがあると、
激高していろいろぶっ壊したもんです。

大人になってからも、
我慢できない時はモノに当たっていました。

オールポートの基準で言えば、
③の情緒がまったく成っていなかった。
関連して、勉強はできたのですが、
④も失格ということでしょう。

そんな自分がイヤでイヤで、
「怒らない方法」みたいな本を読んだりしたもんです。
拳をつくって怒りの原因を握りしめ、
指を開いて解き放つ、みたいな手法が紹介されていました。

その甲斐があったのかどうか、
今も激高してしまうことはありますが、
何とか鎮めることができるようになってきたように思います。

一歩進んで、欲求不満を受け入れることができるようになりたいなと思っています。
この現代社会では、自分の利益を最大化するため、
畢竟、他者に不利益を与えてしまうケースが多いと思います。
ストレス社会というやつですが、
できるなら、自分がストレスを受けるのがイヤだからと、
他者に転嫁してしまうということはないようにしたいですね。


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