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6月, 2016の投稿を表示しています

FOB F151 リペア後

経済学で言うところの「豊かさ」とは、ストックつまり蓄積された財の多さなんだそうです。 しかし今のように満ち足りた社会では、ハコモノを多くつくれば、逆に維持コストがかかってフローが逃げていくばかり。 なので、成熟した社会では、過去につくったものを、いかに有効活用していくかが重要なのだとか。 そう考えると、アジを楽しめる洋服というのは、まさに一生モノのストック。摩耗することで付加価値が生まれ、修繕することで着続けることができます。これぞ豊かさの象徴! てなわけで、以前からリペアに出そうと思っていたFOBの F151 を修理に出しました。 FOBに問い合わせたら送料だけで、リペア自体は無料。すばらしい :-) ↓で、帰ってきたんですが、生地に大きなダメージはないので外見は変わりません。 ↓…が、過去の写真でほつれていたかかとのチェーンステッチが ↓このように。シングルステッチで帰ってきました。 ↓また、なくなってしまっていたバックポケットの縫製が ↓復活! ↓くるぶしに空いてしまった穴は、そのまま。特に問題ないですしね。 ↓ついでに、いくつか写真を撮りました。 ↓最後に、穿いてみました。 もう10年も前のジーンズですが、まだまだ穿けそう。ストックを有効活用するため、太らないようにしなければ。 日本ブログ村

FULLCOUNT(フルカウント)1108XX

フルカウントは1992年に創業し、1990年代のレプリカブームの立役者となった一社です。2000年代にはバブルが弾けるようにデニムメーカーがめっきりと減りましたが、フルカウントは当時と変わらぬデニム作りを続けてくれています。 生き残ったメーカーであっても、リー○イスのレプリカ狩りに屈して赤タブを廃止するなど仕様変更が相次いでいますが、フルカウントや ウエス 、エヴィスは頑なにディティールを守り続けています。 私はクタクタになった赤タブが大好きなので、ここ数年の間に追加したジーンズはフルカウントやウエスばかりです。偶然にも、両社ともジンバブエコットンを使ったデニム生地ですね。 フルカウントは13.7オンスの生地が標準ですが、数年前から15.5オンスで染めを強化した生地も使い始めたようで、品番の最後に「XX」がつきます。 リーバイスの表記に倣うならエクストラ・エクシードってことなんで、特に「重い」という意味ではなく、「とっても優れた生地」って意味です。 フルカウントは13.7オンスだろうが15.5オンスだろうが、ジンバブエコットンを使った生地を看板にしているので、どちらが優れているということもないのでしょう。「XX」は単なる区別の記号という意味ぐらいしかないのかも。 ↓で、こちらが1108XXです。 ↓13.7オンスだとすぐ柔らかくなるのですが、15.5オンスは重く固いので、ヒゲなどが定着しやすいと言われています。さらに染めも濃いので、メリハリのある色落ちが期待できるのだとか。 ↓でも、本当に染めが濃くて手強い。1年ほど経ちましたが、 2014 と並行して穿いていることもあり、色落ちの違いを堪能するにはほど遠い(泣) ↑裾とミミ。お気に入りのアングル。2014と違い、テーパードは緩めです。 ↑ヒゲのアップ。まだ洗濯は2回程度なので、毛羽立っています。 ↑ハチノス。まだ色が落ちるほどではありません。 ↑おしり周り。iPhoneの痕跡が。バックステッチはいじっていません。 ↑バックヨークはオレンジの縫製糸で、バックステッチは黄色です。 厚い生地なので、夏場は13.7オンスの2014ばかり穿いています。秋以降、またチャレンジします。 日本ブログ村

旧 JOE McCoy(ジョー・マッコイ) 902 2本目

旧ジョー・マッコイ コレクションの最後を飾る一本、902。1930年代のレプリカです。 以前紹介した 902 よりもちょっと前につくられていた型で、生地もシルエットも違います。 言うなれば、以前紹介したのは「旧マッコイの新902」で、今回は「旧マッコイの旧902」です。 ややこしいですね…。確か1997年ごろに購入した一本。もう20年ほど前になるんですね…。 ↑当時は友人の影響でオーバーサイズで穿こうと思い、ジャストより2インチほど上げました。ですが、それを抜きにしても太いシルエット。細めが多かった旧ジョー・マッコイの中では異色。いかにも1930年代らしい形です。 ↑バックシンチは二本針仕様。 ↑オーバーサイズなので、ヒゲがあまりつきませんでした。反省。。。 ↑ミミと股です。ダメージが生じています。生地は905と似た感じ。よく伸縮して柔らかいです。 ↑若気の至りで、皮パッチは熱湯で縮めてしまいました。今だったらやらないでしょうねえ…。昔はバイクで引きずったり、ウーロン茶に漬けたり土に埋めたりしてタンニン染めだとか言ったり、怪しげなことをいろいろとやったもんです。 旧マッコイのジーンズには、そんな昔の思い出が詰まっています。リアル・マッコイズは別会社のもとで相変わらず高品質の洋服を作り続けていますが、私にとってマッコイというと、どうしても在りし日の旧マッコイへと思いがほとばしるのでした。

旧JOE McCoy(ジョー・マッコイ) 906

うとうとして目がさめると女はいつのまにか、隣のじいさんと話を始めている。 …夏目漱石の『三四郎』の書き出しです。 明治時代の学生の生活を描いた小説。よく読み返すのですが、自分の学生時代を思い出します。 リーバイスの 502 に始まり、バックポケットにステッチがないジーンズを探して高嶺の花だったマッコイ 905 を購入。そして次に買ったのが、この906でした。その後、 902 へと移っていくのですが、まさに三四郎のストレイ・シープ(迷える子羊)状態でした。 2000年に発行されたジョー・マッコイのムック本↓によると、 906は1951年に作られた設定。 以前に紹介した 905 は1948年という設定です。 価格は905が22800円だったのに対し、こちらは18000円でした。 もう20年近く前に購入したのでうろ覚えですが、当時のショップ店員の話ではシルエットは905と同じで、生地が違う。伸縮率が905のほうが高いという説明でした。 インディゴの染めは、905のほうが爽やかな青。こちら906は濃紺です。 1950年代のモデルということで、後ろのベルトループはセンターオフセットです。バックポケットにステッチはなし。当時、わたしのこだわりポイントでした。 色落ちは、分かりやすいタテ落ち。905よりも伸び縮みしない生地なのか、ミミのアタリは直線的です。 パッチは牛革。905は鹿革でした。違う理由は…分かりません… 赤タブ。905は1940年代の設定なので片面刺繍、こちらは1950年代モデルなので両面刺繍です。赤タブがほとんど絶滅してしまった今は、こんなところにこだわる人もメーカーもなくなったのではないでしょうか。 日本ブログ村