昔、おっさんが着るような「わけわかんないジャンパー」が好きだと書きました。自分もおっさんと呼ばれる年代になってきましたが、やっぱりわけわかんないジャンパーは好きです。
でも、わけわかんないジャンパーにも、さかのぼれば「原型」があり、わけが分かるというか由緒正しいストーリーがあります。
というわけで、世の中すべてのジャンパーの原型とも言えるバラクータです。厳密には、原型と言えるのは同社のG9で、私が持っているG4は仕様変更版です。
↑裏地は英国ブランドらしく、赤のタータンチェック。アウターシェルの色が変わっても、裏地は変わりません。
基本は雨を考慮したアウターシェルで、綿とポリエステルが半々の混紡です。「ドリズラージャケット」と呼ばれることもありますが、「ドリズラー」は霧雨とか小雨のことです。で、背中に湿気を逃がすためのベンチレーション。
↑パッチタイプの内ポケット。
↑ボタンにもBARACUTAのエンボスが施されています。襟を折ると、垂れた犬の耳のようになるため「ドッグイヤーカラー」と呼ばれます。
↑オリジナルハンガーがついてきました。
バラクータは、もともとはバーバリーやアクアスキュータムのトレンチコートを受注していた工場です。で、レインウエアの需要に注目してG9を製造販売し、人気を博して1937年に独立したそうです。それまで、世の中にはショート丈のジャケットはなかったようです。
G9はゴルフウエアとしての利用も念頭に置いており、Gはゴルフ、9はハーフホール数を示しています。「ハリントンジャケット」という呼び名は、1960年代に米国で放送されていた人気ドラマの登場人物ハリントンが着ていたことに由来します。それより前に、エルビス・プレスリーも着ていてすでに人気だったようです。
対するG4は「ドライブジャケット」と言われます。といっても、特に運転しやすいとも思わないのですが…。まあ、袖や裾をリブで締め付けられることを嫌う私のような人間が、昔からいたのでしょう。
G9もG4も今に至るまで仕様は変わりませんが、シルエットは時代に合わせてだんだんスリムになってきています。着てみるとかなりスタイリッシュで、「わけわかんないジャンパー」と呼ぶにはちょっと格好良すぎます。
ちなみに、日本語で言う「ジャンパー」は、英語では上空から飛び降りる人が着る上着でも指すのかなと思っていたのですが、作業用の上着を指すそうです。
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