ライトブラウンの初代ゴルフにクラックが入ってきてしまい、2代目を購入しました。といっても、2年前ですが…。
↓右が初代、左が2代目です。
初代はロシアンカーフ、2代目はボックスカーフです。ロシアンカーフの調達が難しくなったからだそう。タンニングの手間がかかるのかもしれませんね。
個人的に感じる違いは、ロシアンカーフのほうがしっとりした感じ。側聞するにロシアンカーフのほうが油分が多く厚いらしく、いわゆる経年変化を感じやすいらしい。でもボックスカーフのほうが丈夫だそうで、初代にクラックが入ってしまったことを考えると、ボックスカーフのほうが長持ちしてくれそう。
↑初代に入ってしまったクラック。
↑右が初代、左が2代目。写真でも少し分かるかもしれませんが、初代のほうが色味が濃いというか、やや赤みがかっています。むかし、クリームに赤を混ぜていたからかもしれません。
あと、初代のほうが小さく見えますね…。目の錯覚のようにも感じますが、コバの張り出しが初代のほうが小さいからかもしれません。
↑革の質感の違いが伝わるでしょうか。初代(右)のほうが、ツヤがありつつシットリしています。
初代は、クラックが入ったといっても穴が空いたわけではないので、カジュアルな場面ではまだまだ使えます。本当に丈夫な靴です。
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さて、最近、何度か職場などで「そんなに高い靴を買う意味が分からない」とか、自分がデニムマニアだと知られたときに「お金がもったいない」とか言われます。
いい大人なので「いや~、ははは…」と苦笑いでごまかしていますが、結構しつこく言われるので、いつか自分の考え方を説明する機会があるかもしれないと思い、改めて整理しておこうと思います。
自己紹介でも書いたように、基本的には、自分の趣向(形)があって、アジが出て、蘊蓄が楽しめて…という服装が好きなわけです。
ビンテージライクなデニムにすべてが詰まっていることは、このサイトを見ているような人には伝わると思います。では靴はどうか。
アメカジ好きだったら、まず思い浮かぶのはレッドウイングでしょうか。私は持っていませんが、なぜ好きな人が多いのかを考えたときに、デニムと同じ要素が当てはまります。蘊蓄を語るには、社史の古さが物を言います。レッドウイングは1905年創業。あるいは私も持っているホワイツブーツは1902年です。
100年を超える歴史を持つ企業は、蘊蓄の宝庫です。レッドウイングは労働者向けブーツですから、農家向けペコスブーツや、鉱山労働者向けアイアンレンジャー、郵便配達員のポストマンシューズとか、履いているだけで語れちゃう。
ホワイツも同様にスモークジャンパーは森林火災の消火作業員向けだし、土踏まずが気持ちいいアーチ・イース製法とか、語れるディティールも満載です。
そして、革の経年変化を楽しめますよね。
ドレスシューズも同じで、茶芯を出すわけじゃないけど、革の経年変化は楽しめます。
そして、みんなすごい老舗です。J.M.Westonの創業は1891年。オールデンは1884年、エドワード・グリーンは1890年、チャーチ1873年。ジョン・ロブに至っては1849年で、リーバイスより古い!
それだけ長く続く老舗には、社史からして波瀾万丈だったりして、人に語れる何かがあります。ジョン・ロブのエルメス傘下とロンドンのビスポークの違いとか、面白いです。
そして、製品の質が高くかっこいいのは前提で、加えてウエストンの丈夫さやオールデンのコードバン、グリーンのドーバーのスキンステッチとか、固有の素材や技術が詰め込まれていたりします。
そして、最後に最も重要なことは、基本的に職人が手作業で作っており、機械化していないということです。
まとめると、①物語にお金を払う②機械じゃなく職人にお金を払うーーだから高い買い物になるんだ、ということでしょうか。もっと言うと、本当に高いかというとそうでもなくて、何度でも修理して使い続けられます。
まあ、「なんで…」と聞かれたらこのように説明できますが、でもやっぱり説明しないかな。面倒くさいから。
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