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デニムブランド考 その2


クローゼットを整理していたら、しばらく前に穿き込んだジーンズが何本か出てきました。これを機に、ちょっとデニムブランドについて考えてみたいと思います。もう7年も前に書いた第1弾は、国産デニムブランドの歴史をとても簡単に振り返りました。

今回は、私のデニム遍歴を開陳しましょう。なにせ、10代からずっとデニムですから、人生の半分以上はデニムとともに歩んできたことになります。妻より長い付き合い。デニム遍歴をたどれば、そのまま自分史になります。




いままで個々のデニム紹介記事でちょっとずつ触れてきましたが、最初に自分で「これを買おう」と思って買ったのは、中学生ぐらいだったと思います。アメ横の高架下のお店で、すごく安いリーバイス501を買ったものの、洗ったら縮むなんて知らなくて、一回も穿くことなくダメになってしまいました。ジーパンというのは何て難しい服なんだ…

それから508とか、当時のレギュラーモデルを買ったものの、友人に「ビッグEじゃないじゃん」と言われて「?」となってました。でも、受験とかに忙しくて、まだファッションに気を遣っている暇はなかったですね。

当時の流行だったレーヨンジーンズとかも穿いたなあー。ボブソンとかだったかなあー。ペロペロの。


何とか大学に滑り込んだ私は、リーバイス503XXを穿いた友人のヒデに出会います。へえ、濃色のジーンズってかっこいいなと思い、真似をして502を買いました。それがレプリカデニムに入り込むきっかけでした。


時は、ビンテージやレプリカデニムの全盛期。周囲を見渡せば、結構いい感じのデニマーたちがいました。DCブランドが好きだった友人や、ファッションに興味がなかった友人が、急にレプリカデニムを穿き始めたりして。


街角の小さなジーパン屋さんにキャントンが置いてあったりして、思い出すと懐かしい。

ネット勃興期でしたが、別々に有名なデニムサイトを運営していた3人がオリジナルジーンズ「XXX」をつくったりもしていましたね。「リアルジーンズ」とか、今で言う「denim○a」みたいな感じでしょうか。

同時に、自己紹介欄でも触れたようにニルヴァーナのカート・コバーンに憧れて自分でダメージ加工したりしてました。当時は、時代の先を行きすぎてたな~。

ジャケットもリーバイスの507レプリカを買ったのですが、後から506の存在を知って、「こっちのほうが格好いい!」と思って、ポケットの片方を取るという荒技をやってのけました。ええ、大失敗でした。ポケットがきれいにとれないわ、色落ちがおかしくなるわで。507と506ではシルエットが違うことも、当時は知るよしもなく。僕の自作ダメージジーンズを知っていた友人からは「また変なことやってんな」と白い目で見られました…。

もう卒業も見えてきたころ、自分としては初の国産レプリカデニムとなるジョー・マッコイ905を購入。2万円超のジーンズなんて大学生には厳しい出費でしたが、なぜかバックポケットにステッチがないジーンズにあこがれてました。

同時に、ファッションに興味の自分が雑誌とか読み出したもんですから、友人と買い物に出かけてアニエスだのポール・スミスだのを買ってみたりと、まあ迷走してました。


いや~、振り返ってみると、やっぱり大学時代がいちばん濃いな。


やっぱり古着屋にも行きました。ただ、古着が好きというよりは単にお金がなかったからです。私はどちらかというと自分で着古していくほうが好きなんですよね。気に入ったデニムやスウェットなんかを、まったく同じ品番を買い足せるのもレプリカならではです。一点物の古着は、そうはいきません。それが古着の良さでもあるんですけどね。



社会人になったら、ある程度は買いたい物が変えるようになり、一気に所有ジーンズが増えました。マッコイの902とか906、ウエアハウス1000XX(1000)、スカルジーンズ5000XXとか、やっぱりステッチなしモデルばかりでしたね。

同時に、大学時代には買えなかったLEVI'Sのレプリカも、ひと通りそろえました。702とか503に加えて、いよいよ年代別の501レプリカが出ました。47、55、66を買いました。今はほとんど手元に残っていませんが…。

ジャケットはウエアハウスの2ndでした。学生時代から1stが好きだったんですけど、自分が住んでいた地域では売ってなかったんですよね。当時はネット通販なんて、ほとんどなかったし。



このころ、結婚を視野に入れたカノジョをデニム道に誘い込んでやろうとしたのですが、失敗でした。自分が穿いてほしいデニムを勧めまくった結果、キレられるという…。で、結婚を機に引っ越した際に、断捨離も迫られました。このブログで紹介する前に、旅立っていったデニムたちは、何本ぐらいいたかなぁ~…。


でもまあ、それで良かったのかな。妻までデニム道に入っていたら、互いに、しゃれにならない本数になっていたでしょうからね。どこかで自分を止めてくれる存在は必要かも知れません。


そう言えば、このブログでも紹介したフィルスマートのジーンズが加わったのも、この時期です。詳しくはその投稿を見てもらえればと思いますが、学生時代に見かけたものの、購入をあきらめたアイツです。いやー、いろいろな思い出がよみがえるのも、ジーンズの特徴ですね。


余談ですが、このブログで隠れた人気コーナー(?)になっているN-1に魅せられたのは、このころ。たぶんフェローズだったと思うんですけど、ステンシルの入ったネイビーのN-1を着た人を見かけたんですよね。そこから「欲しい!」となって探し回り、フェローズのN-1にたどり着きました。



結婚して妻の監視が強まると、デニムは減ることはあっても、増えることはありませんでした。いや、悪い話ではなくて、さっきも書いたように、物欲にまみれた自分を律してくれるわけです(笑)。

ただ、東日本大震災の前後、単身赴任しました。そこで、ダイエットに成功したというのもあるのですが、やせるとなぜかジーンズがほしくなるw。かっこよく見えるからでしょうか。

そこで、急激にデニムが増えました。ネット通販もできるようになったし、名古屋とか関西に出かけやすくなったので、小旅行がてら店舗でも買っていました。京都のポーキーズとか、神戸ウエス(当時)にまで足を伸ばしたっけな~。

でもね。単身赴任が終わるとともに、またちょっと太ってきて。UESの400Rとか、このブログに載せないうちに旅だったデニムが何本かいます。申し訳ない…。



そして、今度はアメリカで単身赴任。「アメリカのサイズは合わないだろうから」という口実で、日本でデニムもジャケットも買い足して着々と準備を整えました。そんなことより英語を勉強しろよ、という突っ込みは置いておいて。


最近、よく穿いているのはウエアハウス1001XXとフルカウント1101ですかね。似た品番ですが(笑)。一周回って、オーソドックスなモデルに回帰してます。

特にウエアハウス1001XXは、あえて手を出してこなかったんですよね。王道すぎて、天邪鬼な私は避けてきたところがあります。でも、誰もが認めるモデルはやっぱりいいんだろうということと、現行モデルはシルエットが少しテーパードして自分好みになったので。

ただ、1001XXに手を出したことで、こんどはDD1001XXの何年モデルとか、またほかのが欲しくなってしまいます。デニムはコレクター性も刺激してくるので、足の数は限られているのに集めたくなってしまうんですよ~。アメリカに来ていて、買えないから良かったものの…。

ただ、大戦モデルに惹かれたことはなかったかな~。まず、第二次世界大戦という日本が深く関わってしまった戦争の時代をモチーフにしたジーンズは、あまり穿きたくないかな。穿いて思い出して、反省しよう(こう書くと、面倒くさい人が現れるので言いたくないのですが言います。間違った戦争だったと)というコンセプトならいいんですけど。

加えて、完全に個人の趣向なのですが、ドーナツボタンがあんまり好きじゃないんですよね。真ん中の穴に、汚れがたまっちゃいそうで。いや、もちろんそんなことはないと分かっているんですけど。


あとは、ボタンの数が減らされたり、コインポケットのリベットが省略されたり、ジャケットなら胸ポケットのフラップがなくなったりと、いろいろグレードダウンしているのになんで値段が変わらない、むしろ高かったりするんだよ!と。特に、私はジャケットのポケットフラップは大好きなので、ないと寂しいんです。




ともかく、私服勤務の機会も増えたし、デニムの本場でジャパンデニムを着込む幸せな日々です。米国でこだわりデニムを穿いている人をみかけることは、ほとんどないです。日本でもあまりありませんでしたが…。


でも、良い物は良い、ということで、こないだデラックスウエアのジャケットを着ていたら、飲み屋の店員に「イイね!」とほめられました。こっちの人は、けっこう着ているものを褒めてくれます。分かる人には分かるのでしょう。


デニムが生まれた国で、ジャパンデニムの実力を見せつけてやりますよ。「おまえらが原爆を落とした広島県で織られたデニム生地だからな!」と。


ということで、ちょっと微妙な終わり方ですが、今後ともよろしくお願いします。


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