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自分なりの、おしゃれ理論

今まで何度か開陳しているのですが、年齢を重ねてきて、洋服の指向も変わってきました。若かったときはコテコテのプリントTシャツとか好きだったんですけど、似合わなくなってきて、無地の白Tばっかりになりました。テーラードジャケットも増えてきました。

↑オルゲイユのサックコート

しかし、洋服に対する考え方は、根っこのところでは変わっていません。ファッションて、詰まるところ考え方は2通りだと思っています。
①自己満足したい
②他人から格好良く見られたい

…さて、ガンガン言いたい放題でいきますよ!!

①は、他人の目線がどうであれ、自分が着たいものを着るという考え方。全身エヴィスやテッドで固めるとか、日本人には似合わないダブルのライダースを着ちゃうとか。アメカジ雑誌で出てくる編集長や編集者の多くも、これだと思います。自分に似合うとか似合わないではなくて、好きなものを着るという考え方です。アイテムそのものが好きな人はこれですね。革が好きだ、とか。コスプレもこの部類です。正しいとか間違っているとかいう問題ではありません。テリー伊藤は、ファッションはコスプレだと言っています。

②は、自分の背格好や顔立ち、年齢、キャラクターに合わせて洋服を選ぶ考え方です。他人から格好良く見られるには、自分が他人からどう見えているかを分析して自覚しなければなりません。スタイルが良かったり、顔が格好いいと、選べる選択肢は増えます。白人が何を着ても格好良く見えるのは、コレです。顔の善し悪しだけではなくて、顔立ちの濃さや薄さによっても、似合う服は変わってきます。濃い人は華美な服装も似合いますが、薄い人は似合いません。年齢も重要で、オサーンにゴテゴテのプリントTやジャラジャラのウォレットチェーンは似合いません。逆にA-2なんかは、若いうちよりも年を取ってきた方が似合うと思います。自分ではどうにもならない先天的な問題も絡むので、ややハードルが高いです。

服装に関心のある人はふつう、②を優先して、自分に似合いそうな範囲内で、①の着たいものを選ぶという感じになるのかなと思います。私もそうです。


自分は、高校生までは洋服に無頓着で、ジーンズメイト的な量販店で安い化繊の上着なんか着ていました。ヘロヘロのレーヨンジーンズも流行っていて、自分も穿いていましたね。兄弟の影響でエンジニアブーツを履いてみたり。懐かしい。

アメ横に行ったときに、ジーンズが安かったので買いました。リーバイス501でした。501のプリントが当時国内で流通していた製品と違っていて、おそらくどこかから輸入したものだと思います。洋服に関心がなくてもリーバイス501というのは何となく知っていて、「へー、501って安いんだ」と思ったのを覚えています。

この501を見た友人が「ビッグEじゃないじゃん」と言ってきて、「ビッグEってなんじゃ」と思ったのが、思い返せば初めてデニムに関心を持ったきっかけかもしれません。もう1990年代に入っていて、すでに501の歴史を紐解くムック本なんかが出ていました。

しかし、当時は受験に忙しくて、話はそれで終わってしまい、デニムを探求することはありませんでした。

で、1990年代半ばに大学に入ったわけなんですが、当時、友人が穿いていたレプリカジーンズが格好良くて、リーバイス502を購入しました。9800円でしたね。デニム道に足を踏み入れたのは、ここからです。「Boon」とかいろんな雑誌を読んで、「ビッグE」だの「XX」だのの意味を知りました。そこからGジャンやスウェット、スニーカーなどへ関心が広がっていきました。

半面、多感な大学生時代はメンズノンノとかも読んで、アニエスやポールスミス、コムサみたいな百貨店ブランドにも手を出しました。ビームスとかシップスといったセレクトショップにも通いました。シャツのボタンが簡単にとれちゃうの、本当に腹が立ちましたが。

そこへいくとレプリカブランドは作りが頑丈で、基本的に壊れません。そして社会人になって3年目ぐらいからは、ワードローブの中心はレプリカブランドになってきました。

デザイナーズとレプリカブランドの違いがよく分かるのがTシャツで、生地も縫製も、まったく違います。レプリカブランドのTシャツは襟のバインドが頑丈で、緩まない。当時買ったスカルジーンズのTシャツは、今もピンピンしています。一方でボディやプリントが色あせていくのも、それはそれでまた格好いいのです。

アジが出てきたTシャツなんかは、華美な顔立ちの人より、薄味の人の方が似合う気がします。でも年をとるとダメですね。今はほとんど、無地ばかりになりました。ちょうど白の無地Tシャツがブームなようで、買うには困りません。

↑ジャパンブルージーンズのVネックTシャツ

↑桃太郎ジーンズの白T

そもそも私は顔が薄いので、華美な洋服は似合いません。レプリカデニムが流行した1990年代はビジュアル系バンドも全盛。黒夢のボーカルが穿いていたパンクなチェックのパンツ(ジャラジャラしたチェーンみたいなアクセがついていました)にもあこがれて、裏原宿を歩き回って試着したりしたのですが、そりゃもう惨めなもんでした。「顔と洋服の関係」を自覚したのは、その時です。

以来、あまり冒険はしなくなりましたが、フィグヴェルのレザージャケットは思い切りました。インディ・ジョーンズが好きで、映画を何度か見返していたのですが、ジョーンズ博士が冒険時に着ているレザージャケットが格好良くて。いまだにお気に入りで年に何度かは出番がありますが、着るたびに似合わないなと思ってしまいます。

他人から変な目で見られない範囲内で好きなものを着る、というのは保守的です。面白味がない。そこへ行くと、たまに全身エビスとかテッドとか、A-2にエンジニアブーツの人とか見ると、凄いですね。自分には真似できませんが、「おしゃれ」とは違う格好良さを感じます。他人がどう思おうが関係ないんだぜ、という生き様を感じます。

もっと年齢を重ねて、もう何を着ても似合わないということになったら、逆に、とことん好きなものだけ集めたワードローブになるかもしれませんね。そうなっても、やっぱりデニムばっかりになるんだろうなあ。。。

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